【DIS】ウォルトディズニーの企業分析(2017年版)-2018年1月に7.7%増配で8年連続増配となった総合エンターテインメント企業

総合娯楽産業の大手のウォルトディズニーはディズニーリゾートやメディア部門からなるダウ30構成銘柄

ウォルト・ディズニーは米国の総合エンターテインメント企業で、メディア部門ではABCテレビとその他8局に加え、「ESPN」、「ABCファミリー」などのケーブルチャンネル、ESPNラジオネットワーク、ラジオ局35局を運営している。

リゾート部門はフロリダ州で「ディズニー・ワールド」、カリフォルニア州で「ディズニー・リゾート」を所有。劇場映画やDVDの制作も行う。

総合娯楽産業の代表格であるウォルトディズニーは、放送事業、映画・ゲーム制作、テーマパーク運営など幅広く展開している総合エンターティンメント企業。

傘下に3大ネットABCやスポーツ専門番組ESPNを収める。

ミッキーマウスなど人気キャラクターの相乗効果で稼ぐ収益システムを構築している。

2016年に上海ディズニーランドを開業し、2017年8月には動画配信会社BAM TECHへの出資を過半まで引き上げ、独自配信に方針転換を発表し、スポーツから開始し2019年に本格稼働へ準備中である。

21世紀フォックスの一部買収に合意し、どうが配信Huluの出資も過半締、ネットフリックス【NFLX】を追撃体制を行っている。

2017年9月期は、上海開業などパーク運営が好調であった。しかし、主力の放送がネットに顧客が離れ、映画やライセンス商品も反動で減収となった。

高水準の制作費が負担で、営業益も反落している。

2018年9月期はメディア先行投資だが、パーク運営が補う予定としている。

ウォルトディズニーの同業他社は【AMZN】アマゾン【NFLX】ネットフリックス【7974】任天堂【EBAY】eBay【AAPL】アップルなど。

エンターティンメント産業で首位を独走していたが、ネットの普及もありライバルとの競争にさらせれつつも、メディア企業として多角化が成功するかが今後の課題となるだろう。

採用インデックス

  • ダウ30
  • S&P100
  • S&P500

【DIS】Walt Disney Co株価指標

2018年8月16日時点

PER:14.25倍

配当利回り:1.68%

増配年数:8年

最新情報→「YAHOO!FINANCE

ウォルトディズニーの2017年株価チャート

2017年ウォルトディズニーのパフォーマンスは+4.71%であった。

ウォルトディズニーの企業業績(10年)

【DIS】Walt Disney CoのEPS・配当

EPS(Earnings Per Share)一株あたり利益

  • EPS成長率(10年平均):+9.7%

2008年から過去10年平均のEPSは+9.7%の変動率であった。

2017年のEPSは5.69ドルで前年比-0.7%の変動率であった。

今後のウォルトディズニーEPSは2018年に7.05ドル、2019年に7.72ドルを予想している。

DPS(Dividends Per Share)一株当たり配当

2008年から過去10年平均の配当は+22.5%の上昇であった。

2017年の配当は1.6ドルで前年比+9.9%の上昇であった。

現在の配当率は低いものの増配率も比較的高く、今後も配当を出し続ける企業ではないかと思われる。

Payout Ratio 配当性向

配当性向とは、利益をどれだけ株主に配当するかという割合。 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合の式で表される。

2017年は前年の25.4%から27.6%へ上昇となった。

EPSが堅調に推移しているため、増配を続けていても配当性向の大きな上昇は見られず

増配余地は今後も十分にあると考えられる。

【DIS】ウォルトディズニーの営業成績

Revenue 売上高

  • 売上成長率(10年平均):4.50%

2008年から過去10年平均の売上高は+4.50%の上昇であった。

2017年の売上高は前年比-0.7%の減少であった。

リーマンショック2009年以降の売り上げ上昇から一服している感がある。

Operating Income 営業利益

  • 営業利益成長率(10年平均):7.42%

2008年から過去10年平均の営業利益は+7.42%の増加であった。

2017年の営業利益は前年比-3.38%の減少であった。

ウォルトディズニーの営業利益は競争激化により鈍化傾向にある。

Net Income 純利益

純利益成長率(10年平均):+6.72%

2008年から過去10年平均の純利益は+6.72%の上昇であった。

2017年の純利益は前年比-4.38%の下落であった。

ブルーオーシャンから競争にさらされ、利益率の低下は免れられないところだが、十分な利益は確保している。

Gross Margin % 粗利率

グロスマージン(売上総利益率)は、収益性分析の指標の一つで、売上総利益の売上に対する構成比を表す指標で粗利率とも呼ばれる。企業が提供する商品またはサービスの競争力、販売力、製造効率を測るために利用される。

2017年のグロスマージンは前年の46.1%から45.0%へ低下した。

過去5年は45%前後の粗利率で推移している。

Operating Margin %(営業利益率)

  • 営業利益率(10年平均):24.2%

2008年から過去10年平均の営業利益率は24.2%となっている。

2017年の営業利益率は前年25.8%から25.2%へ低下ている。

極めて安定したい営業利益率である

【DIS】ウォルトディズニーのROAとROE・財務レバレッジ

ROA(Return On Assets):総資本利益率

  • ROA(10年平均):8.0%

2008年から過去10年平均のROAは8.0%となっている。

2017年のROAは前年10.4%から9.6%へ低下している。

そらなりのROA数値を出している。優良企業ですね。

ROE(Return on Equity):株主資本利益率

  • ROE(10年平均):15.5%

2008年から過去10年平均のROEは15.5%となっている。

2017年のROEは前年21.4%から21.2%へ低下している。

メディア企業であっても、ミッキーマウスなどの無形資産の企業価値は揺るぎない地位を確保できているが故のROEの高さだろう。

【DIS】ウォルトディズニーのキャッシュフロー

OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)

  • 営業キャッシュフローマージン(10年平均):19.0%

2008年から過去10年平均の営業キャッシュフローマージンは19.9%となっている。

2017年の営業キャッシュフローマージンは前年23.8%から22.4%へ低下している。

高めのキャッシュフローマージンである。

FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
Cap Spending:設備投資

  • フリーキャッシュフローマージン(10年平均):12.1%

2008年から過去10年平均のフリーキャッシュフローマージンは12.1%となっている。

2017年のフリーキャッシュフローマージンは前年15.2%から15.8%へ上昇している。

売り上げや利益率の横ばいや減少がみられてきたが、キャッシュフローはしっかりしている。

さすがウォルトディズニーといったところか。

【DIS】ウォルトディズニーの株価チャート(過去15年)

リーマンショック以降から大きく株価が伸びている。

不況時の株価下落はディフェンシブセクターではないため大きいが、長期では安定する銘柄ではないだろうか。

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