アッヴィはバイオ製薬の大手で長期リターンが優れているアボットラボラトリーズから分社化した高配当優良銘柄
アッヴィ(AbbVie Inc)は米国の研究開発型バイオ医薬品企業で、主にC型肝炎、神経学、免疫学、腫瘍学、慢性腎疾患および女性の疾患などの分野における医薬品の開発に取り組む。
【ABT】アボットラボラトリーズの研究開発医薬品部門の分離独立に伴い2013年度に設立。主力製品はリウマチ性関節炎や乾癬治療薬「ヒュミラ」など。
バイオ製薬大手の【ABBV】アッヴィは2013年にアボットラボラトリーズから新薬などのバイオ製薬をメインに分社化。主力は抗リウマチ治療薬のヒュミラ(米国では2016年に失効)。
免疫学、ウィルス感染・C型肝炎、腎疾患、神経系などが重点領域。
ヒュミラはバイオ後発薬の影響懸念だが、適応症拡大で対応する方針となっている。
2015年にがん治療薬のファーマサイクリック社を210億ドルで買収、血液がん治療薬のインブルビカを獲得することで、がん領域を補完している。
2016年通期はドル高が収益を圧迫、競争激化によりC型肝炎治療薬のヴィキラが米国で失速。だが、主力のヒュミラが堅調であった。
買収した子会社のインブルビカが上乗せ。採算も改善し、営業増益であった。
2017年通期もヒュミラが着実に増加し、買収効果により利益は上向く見通しとなっている。
アッヴィの同業他社は【JNJ】ジョンソンエンドジョンソン【RHHBY】ロシュ【PFE】ファイザー【MRK】メルク【AMGN】アムジェン【BMY】ブリストルマイヤーズスクイブ【LLY】イーライリリー【BIIB】バイオジェンなど。
シーゲル銘柄とひとつでアボットラボラトリーズにおいては、ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると1957年から2003年の間S&P500は10.85%の年率リターンに対しアッヴィ(アボットラボラトリー)は16.51%の年率リターンを叩き出している。
これは、フィリップモリス(現アルトリア)の年率リターン19.75%についで2位の運用成績となっている。
採用インデックス
- S&P100
- S&P500
- ラッセル1000
【ABBV】AbbVie Inc株価指標
2017年5月3日時点
PER:17.3倍
配当利回り:3.85%
増配年数:5年
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【ABBV】アッヴィの2016年株価チャート
2016年のアッヴィ株価は59.24ドルから62.62ドルとなっており+3.38ドル(+5.70%)のリターンであった。
【ABBV】アッヴィの企業業績(10年)
【ABBV】アッヴィのEPS・配当
2014年にEPSが落ち込んでいるが、2015年2016年にて着実にEPSを増加させている。2016年のアッヴィは16.0%のEPS増加であった。
2013年のアボットラボラトリーズから分社化してからも増配継続している。増配率も高く、最近は株価が上昇しているが半年前までは4%を超える高配当であった。しかし現時点でも3.85%の配当利回りであり依然高配当銘柄と言っていいだろう。
スピンアウト後増配率が高すぎるため、配当性向も高めになっている。特許絡みの新薬を保有しているバイオ大手企業は特許切れまで莫大なキャッシュを生み続けることができるため、配当が滞ることは当面ないだろう。
【ABBV】アッヴィの営業成績
アボットラボラトリーズからスピンアウト後も10%超にて毎年売上げが増加している。
2016年のグロスマージンは低下したが、77.2%を依然高い水準となっている。
営業利益、純利益共に、2014年を底にV字回復している。
【ABBV】アッヴィのROAとROE
- ROA(Return On Assets):総資本利益率
- ROE(Return on Equity):株主資本利益率
- Financial Leverage:財務レバレッジ
ROAは9.9%であるが、ROEは138.1%と高水準。レバレッジをかけている影響もあるわけですが、資本を効率的に活用している。
【ABBV】アッヴィのキャッシュフロー
- OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
- OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)
- FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
- FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
- Cap Spending:設備投資
営業キャッシュフローマージンは27.5%と高く。フリーキャッシュフローマージンも25.6%とすこぶる高水準。どんだけ毎年キャッシュを稼ぐのよ!
【ABBV】AbbVie Incの株価チャート(過去15年)、株価パフォーマンス(過去10年)
2013年に【ABT】からスピンアウト後、株価パフォーマンスは充分。S&P500をアウトパフォームしている。
毎年増配率も高く毎年3%超の配当利回りを株主にもたらしてくれる高配当銘柄である。
シーゲル銘柄とひとつでアボットラボラトリーズにおいては、ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると1957年から2003年の間S&P500は10.85%の年率リターンに対しアッヴィ(アボットラボラトリー)は16.51%の年率リターンを叩き出している。
スピンアウトして年数が少ないためアボットラボラトリーズ時代の栄光をそのまま鵜呑みにできないが、収益力の高さと増配を継続する限り長期投資において圧倒的なパフォーマンスを生む企業と入れるのではなかろうか。