【KMB】キンバリークラークの企業分析(2016年版)-2017年4月に5.4%増配で45年連続増配となった日用品メーカー大手でディフェンシブな配当貴族銘柄

キンバリークラークは日用品メーカーの大手でティッシュペーパーを輩出した健康衛生用製品を販売する配当貴族銘柄

キンバリークラーク(Kimberly-Clark Corp)は米国の日用品メーカーで、健康、衛生用製品の製造と販売を行う。

主要製品は、紙おむつ、小児・水泳用の紙パンツ、生理用品、失禁用衛生用品、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、ペーパータオル、紙ナプキンのほか、手術衣、マスク、グローブなどの使い捨て医療用品。主要ブランドは「ハギーズ」、「クリネックス」、「スコット」など。

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日用品メーカー大手のキンバリークラークは新聞用紙の製造で1872年創業した老舗企業。

ティッシュペーパーKleenex、ハンドタオルScott、紙おむつHuggies、生理用品Kotexなどの有名ブランドは世界80カ国でシェア1位または2位を獲得している世界的に有名な生活必需品企業。

売上構成は北米が5割、アジア・中南米が4割を占めている。

キンバリークラークの同業他社は【PG】プロクター&ギャンブル【CL】コルゲートパルモリーブ【CLX】クロロックスなど。

古くから安心安全を提供し続けることで消費者から信頼を寄せられているだけでなく、45年もの歳月をかけて連続増配しており、株主配当も厚い。

株価に関わらず安定して3%前後の配当利回りを齎すキンバリークラークは長期投資家から好まれる銘柄である。

採用インデックス

  • S&P500
  • ラッセル1000

【KMB】Kimberly-Clark Corp株価指標

2017年5月3日時点

PER:20.92倍

配当利回り:3.06%

増配年数:45年

最新情報→「YAHOO!FINANCE

【KMB】キンバリークラークの2016年株価チャート

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2016年のキンバリークラーク株価は127.30ドルから114.12ドルとなっており-13.18ドル(-10.35%)のリターンであった。

【KMB】キンバリークラークの企業業績(10年)

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【KMB】キンバリークラークのEPS・配当

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2014年2015年とEPS下落が目立っていたが、ヘルスケア部門をスピンオフさせた影響からか大きくEPSが上昇している。

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45年連続増配によりDPSは右肩上がりで上昇している。また増配率も毎年安定しており、2017年は5.4%の増配であった。

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配当性向は66.2%と若干高めではあるが今後も新興市場の開拓及び拡販で充分配当余地は残っている。

【KMB】キンバリークラークの営業成績

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売上は2011年をピークに下落傾向にある。また、2014年にヘルスケア部門をバリアードヘルスとしてスピンオフさせ主力である日用品部門に注力するとしている。

また売上げの半分が新興市場の米国外であるため、近年のドル高が重しとなりドルベースの売上減につながっている。

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グロスマージンは30%超をキープしており2016年は36.5%と上昇基調である。積極的なコストダウンなどが功を奏しているのではないだろうか。

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売上減にも関わらず、営業利益・純利益ともに2016年は大きく改善した。

【KMB】キンバリークラークのROAとROE

  • ROA(Return On Assets):総資本利益率
  • ROE(Return on Equity):株主資本利益率
  • Financial Leverage:財務レバレッジ

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ROAは2016年に大きく上昇している。ROEは2015年から債務超過となっており計測できない状況となっている。

しかし日用品メーカーであるため毎年の売上が激減することなないため一定以上の予想されたキャッシュはキンバリークラークに入ってくる。それゆえ積極的な借り入れを行っていると解釈している。債務超過でも自社株買いなどを行っていることから経営に影響ないと判断。【CL】コルゲートパルモリーブや【PM】フィリップモリスなども同様である。

【KMB】キンバリークラークのキャッシュフロー

  • OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
  • OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)
  • FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
  • FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
  • Cap Spending:設備投資

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2016年は営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローも改善し営業キャッシュフローマージンにおいては17.8%、フリーキャッシュフローマージンは13.5%と過去10年平均を上回ってきている。

【KMB】Kimberly-Clark Corpの株価チャート(過去15年)、株価パフォーマンス(過去10年)

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生活必需品セクターということもあり2008年の株価はS&P500より少なく、その後も上昇相場でしっかりとS&P500をアウトパフォームしている。

配当利回りも概ね3%を超えており、連続増配ということもあり配当そのものが下落相場のプロテクト,上昇相場のアクセルとなって長期投資に適した銘柄がキンバリークラークと言えるだろう。

配当再投資が株主に利益をもたらすキンバリークラークは米国株太郎の注目銘柄である。

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