【PEP】ペプシコの企業分析(2017年版)-2018年6月に15.2%増配で46年連続増配となった米国の大手食品・飲料メーカーで連続増配の配当貴族銘柄かつシーゲル銘柄

ペプシコはスナック菓子・清涼飲料の世界大手で安定した収益をもたらす46年連続増配の配当貴族銘柄

ペプシコは米国の大手食品・飲料メーカーで炭酸・非炭酸飲料、スナック菓子、朝食シリアルなどを世界各地で販売する。

「ペプシ」、「マウンテン・デュー」、「ゲータレード」などの清涼飲料水のほか、「レイズ」や「ドリトス」などのチップス、「クエーカー」オートミール、「トロピカーナ」ジュース、「ライフ」シリアルなどを展開。

スナック菓子と清涼飲料の2本柱で消費者へ提供するペプシコはFritoLay,飲料はPepsi-Cola,Gatoradeの世界規模の主要ブランドを有している。

スナックは世界シェア首位であり、清涼飲料でもコカコーラに次いで首位級である。

ブランド力や販売力強化のため、各種企業との提携を通じた飲料拡大で積極的。

近年は顧客の健康志向に対応し、高級水「LIFEWTR」で市場開拓を行っている。

Eコマースを成長分野に位置づけ、中国開拓に照準をあわえている。

株主還元に積極的で連続増配銘柄のディフェンシブな企業として有名。

2017年は飲料が数量微減だが、スナック菓子が数量増で補った。

コスト削減の効果が浸透し、営業益が増加した。ただ、一時的な税制改正の費用計上で純利益は後退した。

2018年も中核ブランドが着実に利益をもたらしている。

コスト削減を継続し、営業利益は増益の見通しとなっている。

ペプシコの同業他社は【KO】コカコーラ【NESN】ネスレ【UN】ユニリーバ【PG】プロクターアンドギャンブル【K】ケロッグなど。

ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると1957年から2003年の間S&P500は10.85%の年率リターンに対しペプシコは15.54%の年率リターンを叩き出している。

採用インデックス

  • S&P100
  • S&P500

【PEP】PepsiCo Inc株価指標

2018年12月23日時点

PER:31.57倍

配当利回り:3.37%

増配年数:46年

最新情報→「YAHOO!FINANCE

【PEP】ペプシコの2017年株価チャート

2017年ペプシコのパフォーマンスは+17.64%であった。

【PEP】ペプシコの企業業績(10年)

【PEP】ペプシコのEPS・配当

EPS(Earnings Per Share)一株あたり利益

  • EPS成長率(10年平均):-0.1%

2008年から過去10年平均のEPSは-0.1%の変動率であった。

2017年のEPSは3.38ドルで前年比-22.5%の変動率であった。

今後のペプシコEPSは2018年に5.71ドル、2019年に6.14ドルを予想している。

DPS(Dividends Per Share)一株当たり配当

DPS成長率(10年平均):7.5%

2008年から過去10年平均の配当は7.5%の上昇であった。

2017年の配当は3.2ドルで前年比+7.1%の上昇であった。

2018年の増配発表で46年連続増配となっている。

EPSは横ばいであるが、配当貴族銘柄らしく毎年増配を継続してくれている。

Payout Ratio 配当性向

配当性向とは、利益をどれだけ株主に配当するかという割合。 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合の式で表される。

2017年は前年の63.8%から64.3%へ上昇となった。

ペプシコの配当性向はEPS横ばいで増配継続しておきながら大きく上昇しているわけではない。

【PEP】ペプシコの営業成績

Revenue 売上高

  • 売上成長率(10年平均):+4.87%

2008年から過去10年平均の売上高は+4.87%の変動率であった。

2017年の売上高は前年比-1.16%の変動率であった。

売上は完全に横ばいである。

Operating Income 営業利益

  • 営業利益成長率(10年平均):+3.9%

2008年から過去10年平均の営業利益は+3.9%の変動率であった。

2017年の営業利益は前年比+7.40%の変動率であった。

少しずつではあるが成熟企業であっても営業利益を上乗せしてきている。

Net Income 純利益

純利益成長率(10年平均):-1.51%

2008年から過去10年平均の純利益は-1.51%の変動率であった。

2017年の純利益は前年比-23.26%の変動率であった。

近年プライベートブランドの台頭もあり、価格競争もでてきたことでブランド力が圧倒的にあっても厳しい展開は否めない。

Gross Margin % 粗利率

グロスマージン(売上総利益率)は、収益性分析の指標の一つで、売上総利益の売上に対する構成比を表す指標で粗利率とも呼ばれる。企業が提供する商品またはサービスの競争力、販売力、製造効率を測るために利用される。

2017年のグロスマージンは前年の55.1%から54.7%へ上昇した。

安定感が素晴らしい粗利率である。

Operating Margin %(営業利益率)

  • 営業利益率(10年平均):15.4%

2008年から過去10年平均の営業利益率は15.4%となっている。

2017年の営業利益率は前年15.6%から16.5%へ上昇している。

生活必需品関連であってもこのばらつきのなさは他社と比べても少ないのではないだろうか。

【PEP】ペプシコのROAとROE・財務レバレッジ

ROA(Return On Assets):総資本利益率

  • ROA(10年平均):10.0%

2008年から過去10年平均のROAは10.0%となっている。

2017年のROAは前年8.8%から6.3%へ低下している。

近年9%で安定していたが2017年のペプシコは2.5%ほど下げている。コカコーラと違ってボトラー事業も抱えている背景もあるがROAを10%まで引き上げてほしいところ。

ROE(Return on Equity):株主資本利益率

  • ROE(10年平均):36.6%

2008年から過去10年平均のROEは36.6%となっている。

2017年のROEは前年55.1%から44.3%へ低下している。

ROAが低めに対してROEはすこぶる高い。効率よい収益を出しているといえる。

【PEP】ペプシコのキャッシュフロー

OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)

  • 営業キャッシュフローマージン(10年平均):15.2%

2008年から過去10年平均の営業キャッシュフローマージンは15.2%となっている。

2017年の営業キャッシュフローマージンは前年16.6%から15.7%へ低下している。

驚異的な安定度てある。ペプシコーラやフリトレーなどの景気に左右されにくい高いブランド力を活かしたキャッシュフローを創出している。

FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
Cap Spending:設備投資

  • フリーキャッシュフローマージン(10年平均):10.5%

2008年から過去10年平均のフリーキャッシュフローマージンは10.5%となっている。

2017年のフリーキャッシュフローマージンは前年11.7%から11.1%へ低下している。

売上は横ばいなもののしっかりとフリーキャッシュフローも創出している。

菓子飲料が主体なため、競争や技術革新が短期間で進むハイテク銘柄と違って大きな設備投資も不要であることも大きな要因である。

【PEP】ペプシコの株価チャート(過去15年)

長めのスパンでペプシコの株価を見てみると成熟企業であっても持続的成長を遂げることで右肩上がりのチャートを形成していることが見て取れる。

大きな株価上昇ではないが、配当再投資を実施して報われる可能性が高い企業がペプシコであろう。

ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると1957年から2003年の間S&P500は10.85%の年率リターンに対しペプシコは15.54%の年率リターンを叩き出している。

1957年から2003年までのペプシコは年率リターン15.54%,EPS成長率11.23%,平均PER20.42倍,配当利回り2.53%であった。

配当利回りもそこそこあり、増配を46年も続ける配当貴族によってペプシコはキャッシュを創出しながら株主還元する優良企業と思われる。

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