【NKE】ナイキの企業分析(2018年版)-2018年1月に11.1%増配で16年連続増配となった米国の大手スポーツ用品メーカー

スポーツ用品の世界首位を占めるナイキはクッション性の高いスポーツ靴に定評があるダウ30構成銘柄で連続増配企業

ナイキは米国の大手スポーツ用品メーカーで、ランニング、バスケットボール、サッカーなど各種スポーツ向けフットウエア、スポーツウエア、スポーツ関連製品を展開。

また、「コール・ハーン」、「チャック・テイラー」、「コンバース」、「ハーレー」、「アンブロ」のブランド名でフットウエア、カジュアルウエア、スポーツウエアを展開。

スポーツ用品の世界首位であるナイキは、クッション性の高いスポーツ靴に定評があり、傘下にコンバース、ハーレー、アパレル分野に展開している世界屈指のスポーツアパレル企業である。

プロ選手との契約通じた市場開拓が得意でオリンピックやワールドカップなど世界的スポーツイベントのスポンサーを通じ知名度を盤石なものにしている。

1980年代にNBAのマイケルジョーダンと契約したエアジョーダンが爆発的に売れたのは伝説にもなっている。

自動紐結び機能付きシューズ「ハイパーアダプト1.0」も投入している。

アマゾンの試験販売を開始し、ネット提携にて販路をさらに拡大している。

2017年6月~2018年2月期は、柱の北米がフットウェアにて苦戦を強いられたものの、

中国と欧州で2桁増の売り上げを記録し、ネット販売も拡大してきている。

為替に恩恵でも、コストがかさみ営業減益となった。

税制改革の一時的な費用処理で大幅減益であった。

2018年5月通期も海外堅調でネット販売が加速しているが、北米の本格回復に時間を要すると想定されている。

ナイキの同業他社は【ADS】アディダス【PUM】プーマ【UAA】アンダーアーマー【7936】アシックス【EBAY】eBayなど。

スポーツグッズのセクターにて圧倒的に知名度をもち、ダウ30構成銘柄であるナイキは景気に売り上げが左右されるも大きく成熟した安定企業といえるだろう。

採用インデックス

  • ダウ30
  • S&P100
  • S&P500

【NKE】Nike Inc株価指標

2018年8月17日時点

PER:68.42倍

配当利回り:1.17%

増配年数:16年

最新情報→「YAHOO!FINANCE

【NKE】ナイキの2017年株価チャート

2017年ナイキのパフォーマンスは+24.51%であった。

【NKE】ナイキの企業業績(10年)

【NKE】ナイキのEPS・配当

EPS(Earnings Per Share)一株あたり利益

  • EPS成長率(10年平均):+2.3%

2009年から過去10年平均のEPSは+2.3%の変動率であった。

2018年のEPSは1.17ドルで前年比-53.4%の変動率であった。

今後のナイキEPSは2019年に2.68ドル、2020年に3.10ドルを予想している。

DPS(Dividends Per Share)一株当たり配当

2009年から過去10年平均の配当は+14.0%の上昇であった。

2018年の配当は0.8ドルで前年比+11.4%の上昇であった。

連続増配銘柄ではあるが、株価上昇のほうが大きく配当率は低めとなっている。

Payout Ratio 配当性向

配当性向とは、利益をどれだけ株主に配当するかという割合。 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合の式で表される。

2018年は前年の28.3%から70.4%へ上昇となった。

EPS低下が響き、配当性向が大幅に上昇している。

【NKE】ナイキの営業成績

Revenue 売上高

  • 売上成長率(10年平均):6.93%

2009年から過去10年平均の売上高は+6.93%の上昇であった。

2018年の売上高は前年比-5.96%の減少であった。

売上高は上昇も、上昇率は年々低下している。

Operating Income 営業利益

  • 営業利益成長率(10年平均):6.21%

2009年から過去10年平均の営業利益は+6.21%の増加であった。

2018年の営業利益は前年比-6.40%の減少であった。

順調に伸びてきた営業利益も一旦横ばいとなってきている。

Net Income 純利益

純利益成長率(10年平均):+0.26%

2009年から過去10年平均の純利益は+0.26%の上昇であった。

2018年の純利益は前年比-54.41%の下落であった。

利益は大きく削られ、競争が激化していることがうかがえる。つまり、ブランド力が他社と肉薄し価格競争にさらされていると思われる。

Gross Margin % 粗利率

グロスマージン(売上総利益率)は、収益性分析の指標の一つで、売上総利益の売上に対する構成比を表す指標で粗利率とも呼ばれる。企業が提供する商品またはサービスの競争力、販売力、製造効率を測るために利用される。

2018年のグロスマージンは前年の44.6%から43.8%へ低下した。

利益は大きく減ったもののグロスマージンは一定のレベルを維持している。

Operating Margin %(営業利益率)

  • 営業利益率(10年平均):13.3%

2009年から過去10年平均の営業利益率は13.3%となっている。

2018年の営業利益率は前年13.8%から12.2%%へ低下ている。

思った以上の落ち込みではない。

【NKE】ナイキのROAとROE・財務レバレッジ

ROA(Return On Assets):総資本利益率

  • ROA(10年平均):14.6%

2009年から過去10年平均のROAは14.6%となっている。

2018年のROAは前年19.0%から8.4%へ低下している。

10%越えを続けていたROAも一桁に転落した。

ROE(Return on Equity):株主資本利益率

  • ROE(10年平均):24.0%

2009年から過去10年平均のROEは24.0%となっている。

2018年のROEは前年34.4%から17.7%へ低下している。

リーマンショック並みのROEまで低下しているが、一時的かどうかの見極めが難しいところ。

【NKE】ナイキのキャッシュフロー

OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)

  • 営業キャッシュフローマージン(10年平均):11.5%

2009年から過去10年平均の営業キャッシュフローマージンは11.5%となっている。

2018年の営業キャッシュフローマージンは前年10.6%から13.6%へ上昇している。

売り上げや利益は前年比マイナスもキャッシュフローはしっかりしている。流石といったところ。

FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
Cap Spending:設備投資

  • フリーキャッシュフローマージン(10年平均):8.7%

2009年から過去10年平均のフリーキャッシュフローマージンは8.7%となっている。

2018年のフリーキャッシュフローマージンは前年7.4%から10.8%へ上昇している。

設備投資を抑えてキャッシュフローの確保に努めていることがうかがえる。

【NKE】ナイキの株価チャート(過去15年)

近年業績低迷から株価軟調であったが、プライドを捨ててアマゾン【AMZN】でも試験販売開始したころから、株価も急伸している。

景気拡大に伴いどこまで株価を伸ばせるか、成熟企業とはいえセクター特性の株価変動は止む無しと思われる。

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