エクソンモービルはロックフェラーの系譜を引くオイルメジャーのひとつで高配当かつ配当貴族銘柄
エクソンモービル(Exxon Mobil Corp)は米国最大手のエネルギー会社で原油と天然ガスの探鉱と生産のほか、石油製品の製造、原油・天然ガス・石油製品の輸送などのエネルギー関連事業を手掛ける。
また、オレフィン、芳香族化合物、ポリエチレン、ポリプロピレンプラスチックなどの石油化学品の製造のほか、発電事業にも出資。
世界最大級の石油会社であるエクソンモービルはロックフェラーの系譜を引く老舗で6大メジャーの1つ。
1999年にエクソンとモービルが合併し巨大化した。
規模を活かした設備投資や採掘・開発権の獲得より基盤強化。
石油・ガスの探査・生産、燃料・化学品の精製・販売等を展開する垂直統合型。
上流工程が利益の大半を稼ぎ、下流は全体の下支え役になる構造となっている。
外交・政策面への影響力強く、ティラーソン全CEOはトランプ政権の国務長官に就任。
ただ、石油枯渇や環境汚染対策が長期的な課題である。
2016年は原油価格の低迷が長引き、稼ぎ頭の上流工程に打撃。
下流た化学の下支え及ばず大幅減益となった。
石油価格の回復受け、2017年は底打ちの見通し。
メキシコ湾岸LNGプロジェクト等もあり設備投資は220億円と前年比14%増を計画している。
エクソンモービルの同業他社は【RDSB】ロイヤルダッチシェル【CVX】シェブロン【TOT】トタル【BP】BPなど。
セブンシスターズから統廃合を繰り返し現在ではスーパーメジャーと呼ばれるようになり、エクソンモービルはそのひとつとなっている。
- 【XOM】エクソンモービル 米国
- 【RDSB】【RDSA】ロイヤル・ダッチ・シェル 英蘭
- 【BP】BP 英国
- 【CVX】シェブロン 米国
- 【TOT】トタル 仏
- 【COP】コノコフィリップス 米国
2017年の増配発表により連続増配は35年となりダウ構成銘柄の中でも高配当部類に入るため、長期投資家のポートフォリオに組み込む割合は高い。
採用インデックス
- ダウ30
- S&P100
- S&P500
- ラッセル1000
【XOM】Exxon Mobil Corp株価指標
2017年5月12日時点
PER:43.98倍
配当利回り:3.76%
増配年数:35年
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【XOM】エクソンモービルの2016年株価チャート
2016年のエクソンモービル株価は77.95ドルから90.26ドルとなっており+12.31ドル(+15.79%)のリターンであった。
【XOM】エクソンモービルの企業業績(10年)
【XOM】エクソンモービルのEPS・配当
2007年から過去10年平均のEPS-11.8%の下落率であった。
2016年のEPSは1.88ドルで前年比-51.2%の下落率であった。
今後のエクソンモービルEPSは2017年に4.06ドル、2018年に4.79ドルをアナリストは予想している。
2007年から過去10年平均の配当は9.1%の上昇率であった。
2016年の配当は3.0ドルで前年比+3.5%の上昇であった。
2017年6月に2.7%の増配で35年連続増配となったことで、配当貴族の称号に恥じない増配により現時点で配当利回り3.7%と高配当を維持している。
EPS下落により配当性向が急上昇している。
2016年は前年の59.9%から138.3%へ上昇となった。
【XOM】エクソンモービルの営業成績
2007年から過去10年平均の売上高は-5.00%の下落であった。
2016年の売上高は前年比-15.91%の下落であった。
シェールオイルのリグ稼働により中東諸国が原油値下げ戦略により大きく売上げが落ち込んだ。石油関連会社は軒並み下落であるがその中でもエクソンモービルは下落幅を最小限に食い止めた低コスト体質企業である。
2007年から過去10年平均の営業利益は-18.98%の下落であった。
2016年の営業利益は前年比-62.19%の下落であった。
2007年から過去10年平均の純利益は-14.93%の下落であった。
2016年の純利益は-51.46%の下落であった。
2016年のグロスマージンは前年の30.0%から30.5%へ上昇した。
売上が下落してもグロスマージンを維持していることは上出来なのではないだろうか。
2007年から過去10年平均の営業利益率は13.0%となっている。
2016年の営業利益率は前年8.3%から3.7%へ下落している。
グロスマージンが下落しなかっただけに、営業利益率も維持してほしかったが、過去から比較すると相当の下落である。
【XOM】エクソンモービルのROAとROE
- ROA(Return On Assets):総資本利益率
- ROE(Return on Equity):株主資本利益率
- Financial Leverage:財務レバレッジ
2007年から過去10年平均のROAは10.9%となっている。
2016年のROAは前年4.7%から2.4%へ下落している。
エクソンモービルのROAは2012年から下落傾向にある。
2007年から過去10年平均のROEは22.1%となっている。
2016年のROEは前年9.4%から4.6%へ下落している。
ROA及びROEは随分低い水準となってきている。
【XOM】エクソンモービルのキャッシュフロー
- OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
- OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)
- FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
- FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
- Cap Spending:設備投資
2007年から過去10年平均の営業キャッシュフローマージンは11.2%となっている。
2016年の営業キャッシュフローマージンは前年11.3%から9.8%へ下落している。
2007年から過去10年平均のフリーキャッシュフローマージンは4.4%となっている。
2016年のフリーキャッシュフローマージンは前年1.4%から2.6%へ上昇している。
大幅な原油安にも関わらずキャッシュフローマージンをプラスにしていることは素晴らしい経営と考える。設備投資を減らすことでフリーキャッシュフローマージンを確保していることも経営力の高さを示している。
【XOM】エクソンモービルの株価チャート(過去15年)、株価パフォーマンス(過去10年)
エクソンモービルの株価は原油価格に左右されやすいため株価の波は大きい。
また、2014年よりS&P500を大きくアンダーパフォームしている。
しかし、連続増配を続けていることで配当再投資によるリターンは高い。
配当貴族であり時価総額も【AAPL】アップル【MSFT】マイクロソフトに次ぐ3位である。
エネルギーセクターの中でエクソンモービルは低コスト体質で群を抜いている経営力があるため今後も配当再投資によるパフォーマンス向上を見込める銘柄である。