ウォルマートは世界最大の小売りチェーンでスーパーマーケットやディスカウントストアを運営するダウ銘柄かつ配当貴族銘柄
ウォルマートストアーズ(Wal-Mart Stores Inc)は大手小売業者。
米国50州とプエルトリコでディスカウントストア、スーパーセンター(食料品併売、平均面積18万2,000平方フィート)、ネイバーフッドマーケット(スーパーマーケット)のほか、会員制の大型ディスカウントショップ「サムズクラブ」を運営。また、26カ国で小売店やレストランを展開している。
世界最大の小売りチェーンのウォルマートは主力のスーパーマーケットに加え、会員制および食品スーパーなど展開。
1960~70年代に「エブリディ・ロープライス」を掲げ、徹底したローコスト経営により急成長した。海外開拓も積極的で、日本では西友を通じて展開。近年では中国出店を加速し、2016年6月には中国ネット通販2位の京東と包括提携。
2016年1月には米国を中心に小型店など不採算店舗269店の閉鎖を発表する一方2016年8月に米ネット通販大手ジェットを買収。店舗の再構築とライバルのアマゾンに対抗してネット強化を推進。
2017年1月通期は、海外はドル高重荷だが、主柱の米国が客数増で堅調。
規模小さいが、ネットも2桁増の勢いをもっている。ただ、人件費増や投資負担で営業利益は下降線が続いた。2018年1月期も店舗は底堅くネット加速だが、先行投資が続く見通し。
2016年末にウォーレンバフェット率いるバークシャーハサウェイがウォルマート株式を売却したことで株価下落したが、現在は下げ止まりした業績を好感して株価も持ち直している。
ウォルマートの同業他社は【COST】コストコ【TGT】ターゲットなど。
ダウ30構成銘柄で2017年4月に2.0%の増配をしたことで、44年連続増配となり、配当貴族銘柄の王道として君臨している。
採用インデックス
- ダウ30
- S&P100
- S&P500
- ラッセル1000
【WMT】Wal-Mart Stores Inc株価指標
2017年5月3日時点
PER:17.24倍
配当利回り:2.71%
増配年数:44年
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【WMT】ウォルマートの2016年株価チャート
2016年のウォルマート株価は61.30ドルから69.12ドルとなっており+7.82ドル(+16.02%)のリターンであった。
【WMT】ウォルマートの企業業績(10年)
【WMT】ウォルマートのEPS・配当
2016年も過去5年はEPSの下落傾向となっている。
2017年も2.0%増配で増配年数は44年連続となった。近年2%前後の低い増配率となっていることが若干寂しい。
配当性向もEPSが下落していることから上昇傾向にあるが2016年は43.2%とまだまだ増配余地は十分にある。
【WMT】ウォルマートの営業成績
ウォルマートの売上げは横ばいであり、売上げ上昇率も過去10年平均は4%となっている。不採算店舗の閉鎖などが主な要因であろう。
一方グロスマージンは上昇傾向にあり、売上げ拡大より収益率の向上を目指していることがうかがえる。過去10年でも2016年は25.6%となっており最大の粗利率となっている。
売上の低下と共に営業利益及び純利益も下落傾向にある。
【WMT】ウォルマートのROAとROE
- ROA(Return On Assets):総資本利益率
- ROE(Return on Equity):株主資本利益率
- Financial Leverage:財務レバレッジ
ROA,ROE共にここ数年下落傾向にある。ただ、財務レバレッジが2.56にも関わらず17.2%のROEは小売業界にとっては充分な数値ではなかろうか。
【WMT】ウォルマートのキャッシュフロー
- OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
- OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)
- FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
- FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
- Cap Spending:設備投資
売上や営業利益などは下落傾向にあるが、キャッシュフローは上向きである。
営業キャシュフローの増加だけでなく設備投資の減少によりフリーキャッシュフローも増加しているため、収益は確実に向上しているといえる。
【WMT】Wal-Mart Stores Incの株価チャート(過去15年)、株価パフォーマンス(過去10年)
2015年にはEPS減少などから大きく株価下落しているが、その後は回復している。
過去10年のパフォーマンスはS&P500と同等レベルとなっており、配当利回りも3%弱と近年では高い水準にあるため、ファンダメンタル的にもテクニカル的にも配当再投資に適した銘柄といえる。
ネット通販大手のアマゾンにより小売り業界の脅威となっており百貨店大手のメイシーズなどは業績悪化しているが、食品など生活必需品を低価格で取りそろえ、店舗型の圧倒的シェアを確保している世界最大の小売りチェーンであるウォルマートは今後も揺るぎない成績を上げ続けると思われる。