プロクターアンドギャンブルは一般消費財メーカー大手で強力なブランドを有するダウ30銘柄かつ配当再投資に適したジェレミーシーゲル銘柄
プロクター・アンド・ギャンブルは米国の一般消費財メーカー大手で主に「P&G」ブランド名で家庭用品、パーソナルケア用品、工業用製品の製造・販売に従事する。
大型小売店などを通じ、ヘアケア・スキンケア用品、電気かみそり、歯ブラシ・歯磨き粉、衣料用洗剤・消臭剤、紙おむつなどベビー用品など幅広い製品を世界中で販売する。
世界最大の日用品メーカーであるプロクターアンドギャンブルは日本でも花王を追撃しP&Gとして知られる一般消費財メーカー。
多彩なブランドを展開し、21ブランドが年間販売額10憶ドル超。
主要製品は、洗剤類のアリエールやファブリーズ、ヘアケアのパンテーン、化粧品のsk-Ⅱ、ベビー用品のパンパース、かみそり関連のジレット。
2016年に美容製品の一部を化粧品大手のコティに売却。
競争力が高いブランドに注力している。モノ言う株主トライアンが大株主で2017年待つjに委任状争いを展開したがペルツしの取締役選任は不成立となった。
2016年7月-2017年12月期は全体に価格安いが、事業整理が奏功し美容など数量増となった。
ドル安の恩恵があり営業微是応益。ただし一時的な税制改革に伴う費用で純益は半減した。
2018年6月通期は数量増や為替恩恵、合理化効果で営業微増益の見通しとなっている。
プロクターアンドギャンブルの同業他社は【UN】ユニリーバ【NESN】ネスレ【JNJ】ジョンソンエンドジョンソン【PEP】ペプシコ【K】ケロッグなど。
ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると1957年から2003年の間S&P500は10.85%の年率リターンに対しプロクター&ギャンブルは14.26%の年率リターンを叩き出している。
採用インデックス
- ダウ30
- S&P100
- S&P500
【PG】Procter & Gamble Co株価指標
2018年10月3日時点
PER:22.99倍
配当利回り:3.45%
増配年数:62年
最新情報→「YAHOO!FINANCE」
【PG】プロクターアンドギャンブルの2017年株価チャート
2017年プロクターアンドギャンブルのパフォーマンスは-12.53%であった。
【PG】プロクターアンドギャンブルの企業業績(10年)
【PG】プロクターアンドギャンブルのEPS・配当
EPS(Earnings Per Share)一株あたり利益
- EPS成長率(10年平均):+0.1%
2009年から過去10年平均のEPSは+0.1%の変動率であった。
2018年のEPSは3.67ドルで前年比-34.4%の変動率であった。
今後のプロクターアンドギャンブルEPSは2019年に4.54ドル、2020年に4.86ドルを予想している。
DPS(Dividends Per Share)一株当たり配当
- DPS成長率(10年平均):6.1%
2009年から過去10年平均の配当は+6.1%の上昇であった。
2018年の配当は2.8ドルで前年比+3.3%の上昇であった。
増配率は低下傾向にある。
Payout Ratio 配当性向
配当性向とは、利益をどれだけ株主に配当するかという割合。 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合の式で表される。
2017年は前年の74.8%から73.3%へ低下となった。
配当性向はEPS鈍化かつ連続増配が続いているため上昇傾向にある。
【PG】プロクターアンドギャンブルの営業成績
Revenue 売上高
- 売上成長率(10年平均):-2.2%
2009年から過去10年平均の売上高は-2.2%の下落であった。
2018年の売上高は前年比+2.73%の変動率であった。
不採算部門などの売却などで売り上げ減となっている。
Operating Income 営業利益
- 営業利益成長率(10年平均):-2.17%
2009年から過去10年平均の営業利益は-2.17%の変動率であった。
2018年の営業利益は前年比-1.75%の低下であった。
競合他社のプライベートブランドの増加で低価格化の競争激化による影響がある。
Net Income 純利益
純利益成長率(10年平均):-2.12%
2009年から過去10年平均の純利益は-2.12%の変動率であった。
2018年の純利益は前年比-36.38%の変動率であった。
売上自体が低下しているため、純利益低下も当然である。
Gross Margin % 粗利率
グロスマージン(売上総利益率)は、収益性分析の指標の一つで、売上総利益の売上に対する構成比を表す指標で粗利率とも呼ばれる。企業が提供する商品またはサービスの競争力、販売力、製造効率を測るために利用される。
2018年のグロスマージンは前年の50.0%から48.7%へ低下した。
概ね50%前後で粗利率は安定している。
Operating Margin %(営業利益率)
- 営業利益率(10年平均):19.5%
2009年から過去10年平均の営業利益率は19.5%となっている。
2018年の営業利益率は前年21.5%から20.5%へ減少している。
営業利益率は安定した数値を毎年計上している。
【PG】プロクターアンドギャンブルのROAとROE・財務レバレッジ
ROA(Return On Assets):総資本利益率
- ROA(10年平均):8.5%
2009年から過去10年平均のROAは8.5%となっている。
2018年のROAは前年12.2%から8.0%へ低下している。
ROA確保もしっかりしている。
ROE(Return on Equity):株主資本利益率
- ROE(10年平均):18.3%
2009年から過去10年平均のROEは18.3%となっている。
2018年のROEは前年27.3%から18.0%へ低下している。
年によってはばらつきあるが、高い次元のROEを実現している。
【PG】プロクターアンドギャンブルのキャッシュフロー
OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)
- 営業キャッシュフローマージン(10年平均):19.6%
2009年から過去10年平均の営業キャッシュフローマージンは19.6%となっている。
2018年の営業キャッシュフローマージンは前年19.0%から22.2%へ上昇している。
キャッシュフローの金額は低下もマージンは高い水準を維持している。これは、収益率が高い事業を多数もっていることで、安定したキャッシュを確保できていることが所以だろう。
FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
Cap Spending:設備投資
- フリーキャッシュフローマージン(10年平均):14.8%
2009年から過去10年平均のフリーキャッシュフローマージンは14.8%となっている。
2018年のフリーキャッシュフローマージンは前年4.3%から3.7%へ低下している。
超優良企業のキャッシュフローマージンですな。
【PG】プロクターアンドギャンブルの株価チャート(過去15年)
プライベートブランドの急速な追い上げで、価格重視な消費者が流れ、ブランド力低下も懸念されていることで、株価がナーバスになる展開も散見されるが、十分なキャッシュフローで先が読める収支を確保できている商品群が並ぶプロクターアンドギャンブルは今後も成長鈍化は別として永続して利益を齎す企業と考えポートフォリオに組み込んでいる。
62年連続の配当王であり、正にコカコーラなどと並びキングの称号に相応しい企業ではないだろうか。