カード申請5割減 長引くスキャンダルの余韻を残すが、2017年3月の利上げ観測拡大で株価は上昇しているウェルズファーゴより四半期配当23.94ドルを獲得
2017年3月1月に400店舗以上の支店閉鎖計画を発表したウェルズ・ファーゴだが、クレジットカード新規申請は前年同月比47%、新規口座開設は31%落ちこんでいることなども、最新の月間報告書から判明した。
しかし昨年12月の数字と比較すると回復の兆しが見られることから、わずかながらも希望の光が差し始めたとの見方もでている。
2018年末までに年間2257億のコスト削減計画
2月17日にニューヨーク・タイムズ紙が報じたところでは、顧客の支店訪問も14%減とスキャンダルの余韻が強く見られるのはカードや口座だけではない。
大規模な店舗整理に関してはあくまでデジタル化の一環とし、スキャンダルとの関連性を否定しているが、ウォールストリートのアナリスト間では「関連性は否定できない」という見方が強いとCNNは報じている。
スキャンダルによる訴訟費用などが、最終的に莫大な金額に達することは容易に想像できる。支店閉鎖によってそのコストを補う意図があっても不思議ではない。また閉鎖される支店の利益創出力を見切っての判断である可能性も高い。
ウェルズ・ファーゴは2018年末までに年間20億ドル(約2257億4000万円)の節減を目指し、今年中に200件、来年さらに200件の閉鎖を予定している。
ティム・スローンCEOは支店を訪れる顧客の存在を認める一方で、「オンライン、モバイル、テレホンバンキングへのアクセスが急増している」と、店舗整理とデジタル化が時代の流れに沿った決断であることをアピール。
同様の動きはバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースなど、多数の大手でも見られる。そうした観点から見ると、スキャンダルで一歩遅れをとったウェルズ・ファーゴが、ようやく需要に対応する余裕を見いだしたといえないこともない。
ウェルズ・ファーゴは顧客の信頼回復に努める目的で、昨年の不正口座開設スキャンダル以降、パフォーマンスを詳細に示した月間報告書を発表している。一旦地に落ちた信用を回復するには、相当の年月と労力を要するはずだ。
こんな悪材料があるウェルズファーゴ【WFC】だが、株価は上昇している。そう、米国の利上げ観測だ。
FRBイエレン議長はシカゴで行った講演で、雇用をめぐる指標とインフレが力強さを維持すればFRBは今月の会合で利上げを決定すると発言。
市場関係者の間で今月14─15日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ決定はほぼ確実になったとの見方が出ているほか、トムソン・ロイターのデータによると、イエレン議長の講演を受け市場が織り込むFRBが3月会合で利上げを決定する確率は約85%と、週初の30%近辺から大きく上昇した。
そんな叩き売られることなく株価が上昇している銀行株のウェルズファーゴから63株分の四半期配当を獲得した。
【WFC】ウェルズファーゴからの配当金
【WFC】より1株あたり0.38ドルの四半期配当金となっているので、0.38×63=23.94ドルが実際の配当金となります。
2016年12月【WFC】配当との比較
前回四半期配当から買い増しを行っていないため、配当の差異はありません。
【WFC】Wells Fargo & Companyの主要指標(2017年3月6日)
株価 58.89ドル
PER 14.76倍
年間配当 1.52ドル
配当利回り 2.58%
BETA 0.96
年率EPS 4.20ドル
Payout Ratio 36.2%
増配年 6年連続(Since 2010)
【WFC】ウェルズファーゴの日足チャート(1Year)
【WFC】ウェルズファーゴの週足チャート(5Year)
昨年の不祥事でカード申請件数が激減しているにも関わらずトランプ相場とFRB利上げ観測で株価上昇中のウェルズファーゴ。
ここ1年の株価低迷を上抜ける勢いである。【GS】ゴールドマンサックスには負けますが、金融株の2017年は明るいのではないでしょうか。