ダウ30構成銘柄で世界有数の製薬会社のメルクはあらゆる分野で医薬品やワクチンなどを製造販売する高収益なシーゲル銘柄
メルクは米国の医薬品大手で医薬品、ワクチン、動物用医薬品、コンシューマーケア製品の発見、開発、製造、販売を行う。
循環器・糖尿病、がん、骨・呼吸器、皮膚科・眼科、感染症、中枢神経、女性疾患の分野でブランドを展開。ペット用ワクチンや予防薬を提供。抗ヒスタミン剤「クラリトン」や便秘薬「ミララックス」などを扱う。
世界有数の製薬会社であるメルクは循環器系疾患、糖尿病・メタボ、肝炎・感染症、がんなどの分野で医薬品、ワクチンなどを製造販売する。
独メルクの米国事業を第一次世界大戦に接収し独立。
2009年に米シェリング・プラウを買収し規模拡大した。
日本では旧萬有製薬を傘下に収めた。
がん免疫治療薬「キートルーダ」は【BMY】ブリストルマイヤーズ社の「オブジーボ」と競合するが、治験進めば拡大に期待を持つ。
【AZN】アルトラゼネカとがん治療薬の共同開発で連携を発表している。
2017年通期は、主力の糖尿病治療薬「ジャヌビア」「ジャヌメット」が減速。
高コレステロール治療薬「ゼティア」も後発薬に押され急減したが、「キートルーダ」やB型肝炎治療薬「ゼパティエ」が急成長し補った。
2018年も「キートルーダ」成長に期待する。
メルクの同業他社は【PFE】ファイザー【GSK】グラクソスミスクライン【NVS】ノバルティス【SNY】サノフィ【AZN】アストラゼネカなど。
ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると1957年から2003年の間S&P500は10.85%の年率リターンに対しメルクは15.90%の年率リターンを叩き出している。
採用インデックス
- ダウ30
- S&P100
- S&P500
【MRK】Merck & Co Inc株価指標
2018年8月11日時点
PER:136.23倍
配当利回り:2.88%
増配年数:7年
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メルクの2017年株価チャート
2017年メルクのパフォーマンスは-1.21%であった。
メルクの企業業績(10年)
【MRK】Merck & Co IncのEPS・配当
EPS(Earnings Per Share)一株あたり利益
- EPS成長率(10年平均):-5.2%
2008年から過去10年平均のEPS-5.2%の変動率であった。
2017年のEPSは0.87ドルで前年比-38.3%の変動率であった。
今後のメルクEPSは2018年に4.18ドル、2019年に4.40ドルを予想している。
DPS(Dividends Per Share)一株当たり配当
2008年から過去10年平均の配当は+2.5%の率であった。
2017年の配当は1.9ドルで前年比+2.2%の上昇であった。
2018年1月に2.1%の増配でメルクは7年連続増配となったことで、配当据え置きがある時期もあったが、シーゲル銘柄の名に恥じぬ毎年安定した配当を株主へ還元している。
Payout Ratio 配当性向
配当性向とは、利益をどれだけ株主に配当するかという割合。 当期純利益に対して配当金支払額の占める割合の式で表される。
2017年は前年の93.8%から180.8%へ上昇となった。
【MRK】メルクの営業成績
Revenue 売上高
- 売上成長率(10年平均):5.19%
2008年から過去10年平均の売上高は+5.19%の上昇であった。
2017年の売上高は前年比+0.79%の上昇であった。
売上は若干下降ぎみである。
Operating Income 営業利益
- 営業利益成長率(10年平均):2.67%
2008年から過去10年平均の営業利益は+2.67%の増加であった。
2017年の営業利益は前年比+21.21%の上昇であった。
売り上げとある程度連動しているようだ。
Net Income 純利益
純利益成長率(10年平均):-3.09%
2008年から過去10年平均の純利益は-3.09%の下落であった。
2017年の純利益は前年比-38.93%の下落であった。
熱狂なき株価上昇の2017年において株価低迷はこのあたりが起因していることだろう。
Gross Margin % 粗利率
グロスマージン(売上総利益率)は、収益性分析の指標の一つで、売上総利益の売上に対する構成比を表す指標で粗利率とも呼ばれる。企業が提供する商品またはサービスの競争力、販売力、製造効率を測るために利用される。
2017年のグロスマージンは前年の65.1%から68.2%へ上昇した。
製薬会社ならではのグロスマージンの高さです。
Operating Margin %(営業利益率)
- 営業利益率(10年平均):17.3%
2008年から過去10年平均の営業利益率は17.3%となっている。
2017年の営業利益率は前年15.1%から18.2%へ上昇している。
営業利益率はここ近年安定している。
【MRK】メルクのROAとROE・財務レバレッジ
ROA(Return On Assets):総資本利益率
- ROA(10年平均):7.2%
2008年から過去10年平均のROAは7.2%となっている。
2017年のROAは前年4.0%から2.6%へ低下している。
個別株投資するにあたっては超優良企業の目安としている10%は越えたいところ。
ROE(Return on Equity):株主資本利益率
- ROE(10年平均):6.4%
2008年から過去10年平均のROEは15.8%となっている。
2017年のROEは前年9.3%から6.4%へ低下している。
財務レバレッジを上昇させるもROEの低下傾向は微妙ではないかと感じる。
【MRK】メルクのキャッシュフロー
OCF:Operating Cash Flow(営業CF)
OCFM:Operating Cash Flow Margin(営業CFマージン)
- 営業キャッシュフローマージン(10年平均):22.9%
2008年から過去10年平均の営業キャッシュフローマージンは22.9%となっている。
2017年の営業キャッシュフローマージンは前年26.1%から16.1%へ低下している。
高めのキャッシュフローながらも安定感には欠ける。
FCF:Free Cash Flow(フリーCF)
FCFM:Free Cash Flow Margin(フリーCFマージン)
Cap Spending:設備投資
- フリーキャッシュフローマージン(10年平均):18.6%
2008年から過去10年平均のフリーキャッシュフローマージンは18.6%となっている。
2017年のフリーキャッシュフローマージンは前年22.0%から11.4%へ低下している。
高いキャッシュフローを得ているものの、たまに落ち込みがみられる。
【MRK】メルクの株価チャート(過去15年)
長期では株価上昇しているものの、優良銘柄ではあるが他にも収益性が高い企業はあるように感じた。
ただ、長期パフォーマンスでは配当再投資を実施することで、報われる銘柄とひとつではないだろうか。
シーゲル銘柄の名に懸けて。